中原中也の秋の詩<24選>
<中原中也の秋の詩を集めてみました>
躁ぐ少女と嘲笑うヤンキイは いやだ いやだ! 〜秋の一日
『ぎーこたん、ばったりしょ……』狸婆々(たぬきばば)がうたう。〜港市の秋
ほんのりあかるい上天界 遐き昔の影祭(かげまつり)〜秋の夜空
あれは なんだ? あれは なんだ? 〜漂々と口笛吹いて
悪魔の伯父さん、おじゃったおじゃった。〜秋の愁嘆
秋の日は、干物の匂いがするよ 〜干 物
風が立ち、浪が騒ぎ、 無限の前に腕を振る。〜盲目の秋
草がちっともゆれなかったのよ、〜秋
器の中の水が揺れないように、器を持ち運ぶことは大切なのだ。〜修羅街輓歌
秋は 美し 女の 瞼(まぶた)〜秋の日
秋の日は、からだに暖か 手や足に、ひえびえとして 〜秋の消息
濃いシロップでも飲もう 冷たくして、太いストローで飲もう 〜秋日狂乱
秋の夜に、僕は僕が破裂する夢を見て目が醒めた。〜(秋の夜に)
私の部屋の、窓越しに みえるのは、エヤ・サイン 〜秋の日曜
死んだ明治も甦れ。〜(宵に寝て、秋の夜中に目が覚めて)
それは冷たい。石のようだ 過去を抱いている。〜脱毛の秋 Etudes
たったこの間まで、四時には明るくなったのが 五時になってもまだ暗い 〜秋になる朝
友達よ、僕が何処にいたか知っているか? 〜夏過けて、友よ、秋とはなりました