「生前発表詩篇」について

中原中也が、生前に発表した詩作品は、第一詩集「山羊の歌」に収められているほかに、新聞や雑誌などのメディアに発表された詩篇があります。(第2詩集「在りし日の歌」は、詩人の没後に印刷・発行されましたから、生前発表ではありません。)
 
当ブログでは、生前に発表された作品のうちの、「短歌」を除いた詩作品を「生前発表詩篇」として扱っています。「詩を以て本職とする覚悟をした日から詩生活と称すべきなら、15年間」(「在りし日の歌」後記)と、詩人自らが記した意図を汲んで、ここでは「詩生活」から「短歌」を切り離しました。
 
「山羊の歌」と「在りし日の歌」に収録されないで、さまざまなメディアに発表された作品は、現在わかっているもので40篇あり、早いもので昭和5年の「暗い天候(二、三)」、遅いもので昭和12年の「夏日静閑」(文芸汎論)です。メディアも「桐の花」「紀元」「四季」「歴程」「早稲田大学新聞」「日本歌人」「文学界」「文芸懇話会」「少女画報」「作品」「改造」などと、極めて多岐にわたっていますから、中原中也の詩活動の広がり(可能性)や多様性を見ることができます。


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