中原中也が訳したランボー・その3

文庫版「中原中也全訳詩集」の目次は
わずか9行で

ランボオ詩集<学校時代の詩>
ランボオ詩集
初期詩篇
飾画篇
追加篇
附録
未定稿
ランボオ

――という内容ですが
「新全集」の目次から作品タイトルを省略すると

ランボオ詩集<学校時代の詩>
ランボオ詩集
初期詩篇
飾画篇
追加篇
附録

生前発表翻訳詩篇

未発表翻訳詩篇
ノート翻訳詩(1929年―1933年)
翻訳詩ファイル(1929年―1933年)
翻訳草稿詩篇(1928年―1937年)

散文

生前発表翻訳散文
未発表翻訳散文

――となり、文庫版が「未定稿」とした項目が整理され
5項目に細分化されたほか
中原中也の翻訳の仕事を
「詩」と「散文」に大別したことが分かります。

詩か、散文か
生前発表作品か、生前未発表かに
分類・整理されたということになります。

文庫版が発行されたのは1990年
新全集「翻訳」が発行されたのは2000年
日進月歩の研究の跡を
想像することができます。

中原中也は
生存中に
ランボーの詩集を3冊刊行しました。

第1訳詩集「ランボオ詩集<学校時代の詩>」
第2訳詩集「ランボオ詩抄」
第3訳詩集「ランボオ詩集」の3冊ですが
「ランボー詩抄」(山本文庫)は
収録された作品の全てが
「ランボオ詩集」と重複するため
両詩集の作品に若干の異同があるものの
目次にも本文中にも掲載されないことになっています。

「新全集」では、代わりに
「解題篇」で「詩集解題」の項目を立て
その間の経緯や作品の異同を解説しています。

「飾画篇」とあるのは
はじめ小林秀雄が訳したものにならったもので
最近では
「イリュミナシオン」「イリュミナシヨン」と
フランス語そのままにする訳が普及しています。

「新全集」の目次を少し加工し
階層構造をやや分かりやすくしたものを
ここにふたたび載せておきます――

【詩】

ランボオ詩集<学校時代の詩>

1 Ver erat
2 天使と子供
3 エルキュルとアケロュス河の戦ひ
4 ジュギュルタ王
5 Tempus erat

ランボオ詩集

 初期詩篇
感動
フォーヌの顔
びつくりした奴等
谷間の睡眠者
食器戸棚
わが放浪
蹲踞
座つた奴等
夕べの辞
教会に来る貧乏人
七才の詩人
盗まれた心
ジャンヌ・マリイの手
やさしい姉妹
最初の聖体拝受
酔ひどれ船
虱捜す女
母音
四行詩

 飾画篇
静寂

カシスの川
朝の思ひ
ミシシェルとクリスチイヌ
渇の喜劇

若夫婦
忍耐
永遠
最も高い塔の歌
彼女は埃及舞妓か?
幸福
飢餓の祭り
海景

 追加篇
孤児等のお年玉
太陽と肉体
オフェリア
首吊人等の踊り
タルチュッフの懲罰
海の泡から生れたヴィナス
ニイナを抑制するものは
音楽堂にて
喜劇・三度の接唇
物語
冬の思ひ
災難
シーザーの激怒
キャバレ・ヹ―ルにて
花々しきサアル・ブルックの捷利
いたづら好きな女

 附録
失はれた毒薬

 後記

生前発表翻訳詩篇
アルテミス ネルヴァル
レ・シダリーズ ネルヴァル
セレナード ネルヴァル
未来の現象 マラルメ
プチ・テスタマン抄 ヴィヨン
デルフィカ ネルヴァル
黒点 ネルヴァル
饒舌 ボードレール
暦 ジッド
死人の踊 ジッド
神は、私の生れる時…… リード
誠意の女 デボルド=ヴァルモール
サアディの薔薇 デボルド=ヴァルモール
娘と山鳩 デボルド=ヴァルモール

未発表翻訳詩篇

ノート翻訳詩(1929年―1933年)
失はれた毒薬 ランボー
ソネット ランボー
谷の睡眠者 ランボー
プロローグ レッテ
Never More ヴェルレーヌ
美しき娘の碑銘 ルセギエ
Ⅳ(われ等物事に寛大でありませう) ヴェルレーヌ
Ⅴ(たをやけき手の接唇くるそのピアノ) ヴェルレーヌ
木馬 ヴェルレーヌ
デルフィカ ネルヴァル
黒点 ネルヴァル
セレナード ネルヴァル
レ・シダリーズ ネルヴァル
去にし代の婦人等の唄 ヴィヨン

翻訳詩ファイル(1929年―1933年)
(彼の女は帰つた) ランボー
ブリュッセル ランボー
彼女は舞妓か? ランボー
幸福 ランボー
Intermède Ⅱ カーン
黄金期 ランボー
航海 ランボー

翻訳草稿詩篇(1928年―1937年)
眩惑 ランボー
序曲 ヴェルレーヌ
自然への供物 ノアイユ
墓碑銘 ヴィヨン
巴里 コルビエール
えゝ? コルビエール
詩人の刻限 カルコ
仲間 カルコ
謝肉祭の夜 ラフォルグ
でぶつちよの子供の歌へる ラフォルグ
はかない茶番 ラフォルグ
夜曲 クロ
子供の水車 グランムージャン
鐘と涙 デボルド=ヴァルモール
矜持よ、恕せ! デボルド=ヴァルモール
序詩 ボードレール
祝詞 ボードレール

【散文】

生前発表翻訳散文
トリスタン・コルビエール ヴェルレーヌ
マックス・ヂャコブとの一時間 ルフェーブル
ヴェルレーヌ訪問記 レッテ
オノリーヌ婆さん ルナール
ヂュル・ルナアル日記抄 ルナール
ボオドレエル リヴィエール
ポーヴル・レリアン ヴェルレーヌ
ランボー書簡1 ドラエー宛
ランボー書簡2 ヴェルレーヌ宛
ランボー書簡3 ヴェルレーヌ宛
ランボー書簡4 パンヴィル宛

未発表翻訳散文
オーレリア ネルヴァル
アルチュル・ランボオ ヴェルレーヌ
ルイーズ・ルクレルク ヴェルレーヌ
ボオドレエルの天才 モークレール


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