(冨倉の尻を小さくし)

冨倉の尻を小さくし
冨倉より軽い下駄をはかせ
もっと色男にすると十一谷がホーフツする
それから、冨倉から所労なる言葉を吐く口付をやめさせるのだ
その意味で、倉のような苦労が十一谷にはない。
だから彼の小説も、冨倉が思う半分の苦労もいっていないのだけれどそれを冨倉御存知ない
大学生諸君に分らないさ、そんなことは
こんなことは言われて気付くだけさ
それは分ってることじゃない。
そんな所へも表現出来てないものはって言ってやったらみんな顔色はない

自ら萎(しぼ)むことは
物体に対する観察眼を鈍らせるものだ、何時の間にやら彼は自分をせまくしてることを知らない。
おおおんみよ
人にうちのめされる人間は
或はもっと御身より幸福だ

自ら間在的な性質に甘んじてる奴のやりざまは
威張って歩く奴よりは悪い

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